THONET

背もたれと肘掛けを兼ねるフレームは、1本のブナを曲げて作られています。
曲木チェアの原型である214と同じく、209はのパーツはわずか6つ。214よりも背が低く、座幅はゆったりしています。
1920年代に当時の建築家たちに注目され、とりわけル・コルビジェが愛用し自身の建築に度々用いました。そのため「コルビジェ・チェア」という別名を持ちます。ル・コルビジェは著書の中で「壁は白、籐の椅子、またはトーネットの曲木椅子。気の利いた部屋は、こんなわずかなもので足りるのだ」と書くほど209を好んで身近においていました。

ミヒャエル・トーネットの息子、フランツ、ミヒャエル・ジュニア、オーガスト、ヨーゼフ、ヤコブは、ウィーンのGebruderThonet（トーネット社）に入社。
1871年のミヒャエル・トーネットの死後は、兄弟が共同で会社を経営し数多くの技術開発し新しい家具のデザインを発表しました。

1819年にミヒャエル・トーネットがドイツで創業した、現存する最古の家具ブランド。曲木技術を完成させ、現代の家具の基礎を築きました。1926年にはバウハウスの思想を体現したカンティレバーチェアを生み出すなど、プロダクトデザインの歴史と共に歩んできたメーカーです。