THONET

機能住宅の提案を目的にドイツ工作連盟が主催した『ヴァイセンホーフ・ジードルング』展でミースが初めて発表した鋼管家具が、MR10とMR20（現S533)です。機能性とシンプルさを追求したデザインが多い1920年代において S533は機能性と快適性だけではなく、優雅な曲線美を兼ね備えていたことで注目を集めました。ミースは前脚に半円形の曲線を用い、弾力性を高めた構造で特許を取得しました。

1886年ドイツのアーヘンに誕生。1906年22歳でペーター・ベーレンスの建築事務所に入所後、1912年に独立。その後ドイツ工作連盟に参加し、1927年ヴァイセンホーフ・ジードルングでの住宅展示のプロデュースを任されました。1929年のバルセロナ万国博覧会でドイツ館としてのバルセロナ・パビリオンでモダニズム建築スタイルを確立した後、1930年よりバウハウスの校長となるも閉鎖に伴いアメリカに亡命。イリノイ工科大学の前身、アーマー工科大学の建築学部長として教壇に立ちながら、時代をリードするモダニズム建築家としてアメリカで活躍し世界で最も影響力のある建築家の一人となりました。1969年シカゴで死去。

1819年にミヒャエル・トーネットがドイツで創業した、現存する最古の家具ブランド。曲木技術を完成させ、現代の家具の基礎を築きました。1926年にはバウハウスの思想を体現したカンティレバーチェアを生み出すなど、プロダクトデザインの歴史と共に歩んできたメーカーです。